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: SIS : X線天文衛星``あすか'' : ``あすか''  ; 目次

XRT

X線領域での金属の屈折率は1より僅かに小さいため、ある臨界角よりも小さい角度で X線が入射すると高い反射率で反射する。 数keVのX線が充分な反射率を得られるためには、 入射角が1.0度以下でなければならない。

``あすか''のXRTに使われている光学系は多層薄膜型斜入射光学系と よばれるものである。 このタイプの望遠鏡は鏡面基板を極限まで薄くすることで 反射鏡の積層数を増やして開口効率と有効面積を高めている。 4台の XRT が搭載されており、 それぞれの焦点面(焦点距離:3500mm)に SIS、GIS が 2 台づつ置かれている。

高い反射効率を極めて軽い重量で実現するため、 ある程度の結像性能の低下を余儀なくされている。 結像性能は 〜 3 分角(HPD[*])である。

このような XRT の特性として、点源を観測すると蝶々のような十字が 現れたり、また、視野外に明るいソースがいると、 stray light (迷光) がみられます。



WATANABE Manabu 平成12年8月10日