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番号 | 目次 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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地震が発生した場所 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地下の岩石に力が加わり、その力に岩石が耐えきれなくなると破壊され、岩盤がずれることによって地震が起こります。このとき破壊が始まった点(地震が最初に発生した場所)のことを震源といい、震源の真上の地点を震央といいます。そして、観測値から震源と震央までの距離を、それぞれ震源距離、震央距離といいます。また、地下で岩盤が破壊された領域を震源域といいます(図1)。 |
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地震のゆれと伝わる速さ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地震のゆれは、地震計によって、図2のように2種類のゆれが記録されることがあります。この内、はじめに伝わる小さなゆれを初期微動といい、あとに続く大きなゆれを主要動といいます。また、この2つの波が届いた時刻の差を初期微動継続時間といいます。 (初期微動継続時間) = (S波が届くまでの時間) –(P波が届くまでの時間) 初期微動を伝える波は、P波とよばれ、進行方向と同じ方向に振動して、速く伝わる波(縦波)です。そして、P波よりもおそく、おくれて主要動を伝える波は、S波とよばれ、進行方向に対して垂直方向に振動する波(横波)です。 【チャレンジ!】 震源から離れるほど、初期微動継続時間は長くなるでしょうか?それとも短くなるでしょうか? 初期微動継続時間は、震源で同時に発生したP波とS波が、伝わる速さの違いによって生じます。震源から非常に近い場所では、P波とS波が到達する時刻にあまり差はありませんが、ふつうは震源から離れるほど、初期微動継続時間は長くなります。これは、花火が光ってから音が聞こえるまでの時間の長さに似ています。光は音よりも速く伝わるので、花火を打ち上げる場所から遠いほど、花火が光ってから音が聞こえるまでの時間が長くなることを想像するとわかりやすいかもしれません。 |
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地震のゆれの広がり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地表面では、地震のゆれは、水面に物体を落としたときの波面と同じように、震央を中心にほぼ同心円上にまわりに伝わります。これは、震源から発生した地震の波が、ほぼ一定の速さで大地を伝わるからです。そのため、震源から遠いほど、初期微動が始まる時間は遅くなります。また、地震のゆれは、ふつうは震源から遠いほど小さくなります。次の動画3は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震のゆれを再現しています。地震のゆれが、震央を中心に弱まりながら広がっていくようすがわかります。 動画3 地震のゆれが広がるようす 動画中の青色の十字印は震央の場所です。また、変化する色は、 寒色系から暖色系、暗褐色と変化するにつれて、より強い地震のゆれ(正確には地震動)を表しています。 |
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ゆれの大きさと規模の大きさ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ある地点での地震によるゆれの大きさは震度で表され、その階級は、次の表4-1のように、0~7の間で10段階に分けられています。震度はゆれが観測された場所それぞれで値が異なり、ふつうは震央に近いほど大きく、震央から遠ざかるほど小さくなります。しかし、震源からの距離が同じでも、地盤のかたさや地層のつくりの違いによって、震度の大きさは異なります。
地震そのものの規模(エネルギー)の大きさは、マグニチュード(記号はM)という1つの数値で表されます。マグニチュードの数値が1つ大きくなると、地震のエネルギーは約32倍に、2つ大きくなると1000倍になります。日本で発生した大規模な地震には、次の表4-2のように名前がつけられています。
【チャレンジ!】 M8の地震のエネルギーは、M6の地震が何回分のエネルギーと考えられるでしょうか? マグニチュードの差が2であることから、 1000回分と同等のエネルギーです。 |
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大地をおおう大きな岩盤 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地球の表面は、厚さ数10~100kmの板状の岩石でできたプレートでおおわれています。これらのプレートはたがいに少しずつ動いているため、プレートの境界部周辺には常にさまざまな力が加わっており、ひずみが生じます。そして、岩盤がひずみにたえられなくなると、破壊されて地震のゆれが発生します。日本付近では、次の図5-1のように、4枚のプレートが押し合っており、太平洋側の海洋プレート(太平洋プレートとフィリピン海プレート)が、陸側の大陸プレート(北アメリカプレートとユーラシアプレート)の下に沈み込んで、深い溝ができています。この海底にある深い溝のようになっているところを海溝といいます。 【チャレンジ!】 次の図5-2は、2010年1月から3月までに起こったM5以上の地震の分布を表しています。図をクリック(もしくはタップ)して、プレート境界付近に地震が多発していることを確認してみよう! |
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内陸と海溝で発生する地震 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地下の浅いところで活断層のずれによって起こる地震を内陸型地震といい、大陸プレートの下に沈み込む海洋プレートに引きずられた大陸プレートの先端部が、もとに戻ろうとして隆起して起こる地震を海溝型地震といいます。次の動画6は、海溝型地震が起こるようすを表しています。 動画6 海溝型地震が起こるようす |
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大地がずれたあと | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地下で大規模な岩石の破壊が起こると、大地にずれたあと残ることがあります。これを断層といい、ずれ方によって、正断層、逆断層、横ずれ断層に区別されます。そして、今後も活動して地震を起こす可能性がある断層を活断層といいます。 |
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大きな地震に続く小さな地震 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大きな地震のあとには、その近くで引き続いて多数の地震が発生する場合があります。このうち、最初の大きな地震を本震といい、本震より小さな規模のものを余震といいます。 【チャレンジ!】 次の図8-1、8-2、8-3は、東北地方太平洋沖地震が発生した日から1日毎のM5以上の地震分布図です。過去に起こった大きな地震から、余震はどれぐらい続くのか調べてみよう! 余震は時間が経つほど頻度は減りますが、大きな地震が発生したあとの数日間は、規模の大きな余震が発生する可能性があるため、注意する必要があります。 |
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地震による被害 *衝撃的な映像を含みますので、視聴の際はご注意ください。 |
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大きな地震が発生したときは、私達の生活にさまざまな被害をもたらすことがあります。例えば、次の動画9-1は、1995年1月17日に淡路島北部を震源として発生した内陸型地震(兵庫県南部地震、マグニチュード7.3、最大震度7)の被害のようすです。 動画9-1 兵庫県南部地震のようす そして、次の動画9-2、9-3は、2011年3月11日に発生した海溝型地震(東北地方太平洋沖地震、マグニチュード79.0、最大震度7)の被害のようすです。 動画9-2 東北地方太平洋沖地(空からの撮影)のようす 動画9-3 東北地方太平洋沖地(屋上からの撮影)のようす 【チャレンジ!】 それぞれの地震が私たちの生活にどのような被害を及ぼすか考えてみよう! 内陸型地震では、地面のゆれによって崖くずれや地割れ、山崩れが起こったり、道路や堤防、建物などが壊れたりします。また、都市では火災が発生して被害が大きくなることもあります。海溝型地震では、それらに加えて津波が発生し、沿岸部に被害をもたらすことがあります。 |
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最終更新日: 2020年06月30日