English

UDON2 Quick Plot ヘルプページ

もくじ



1. UDON2 Quick Plot とは?

UDON2 Quick Plot は JAXAのX 線天文衛星データを解析して、スペクトルとライトカーブを簡便に表示するためのWebサービスです。 DARTS 上にある X 線観測データ(イベントファイル)からデータを抽出し、スペクトルとライトカーブを作成・表示します。

同種で複数の装置がある場合(すざくのXIS0,1,2,3など)、装置の違いは無視してすべてのイベントデータを重ね合わせて、スペクトルとライトカーブを作成しています。また、エネルギースペクトルの縦軸の単位は、「Total counts/channel」になります (有効面積とエネルギービン幅の 補正は行っていません)。UDON2の出力は、あくまで観測データの概略を知るための早見用としてご利用ください。正確な天体強度を求めるためには、検出器ごとの応答関数を考慮した標準解析が必要となります。

スペクトル/ライトカーブ作成・表示の仕組み
structure

このページの先頭へ⏏


2. スペクトル/ライトカーブを作成・表示するには?

まず UDON2 Quick Look を使用してスペクトル/ライトカーブを作成する領域を定義します。

  1. UDON2 Quick Look の画像作成画面を開いて擬似カラー画像を作成します。
    (擬似カラー画像の表示方法はこちら
  2. スペクトル/ライトカーブを作成する領域を定義します。(下図参照)

  3. 「Submit」ボタンをクリックすると別画面が開き定義した領域の スペクトル/ライトカーブを作成・表示します。

スペクトル/ライトカーブが表示されるまでに数分かかる場合があります。 しばらくお待ちください。
画像データ抽出処理がエラー終了した場合は画像が表示されません。

このページの先頭へ⏏


3. スペクトルとライトカーブの表示の切り替え

通常、画面にはスペクトルとライトカーブのどちらか一方しか表示しません。 スペクトルとライトカーブの表示は 「Light Curve」ボタン 「Spectrum」ボタン で切り替えます。 ボタンをクリックするとスペクトルとライトカーブの表示が入れ替わります。

初期画面ではスペクトルの両対数グラフを表示します。

スペクトル
Spectrum
表示は
right arrow

left arrow
で切り替えます。
ライトカーブ
Light Curve

このページの先頭へ⏏


4. UDON2 Quick Plot でできること


4.1. データ抽出領域の画像、データ抽出処理の結果を確認する

QuickLook Image
observation information

画面の左上にデータ抽出処理 (FTOOLS:extractor) で抽出した領域の画像が表示されます。 スペクトルを表示している場合も ライトカーブを表示している場合も 同じ画像を表示しています。

画像をクリックするとデータ抽出処理の結果を表示します。 また、画像下のリンク (observation information) をクリックすると FITS Primary Header の情報(抜粋)を表示します。

リンク先のページから戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンか ページ右上の「back」をクリックします。


「4. UDON2 Quick Plot でできること」の先頭へ⏶ | このページの先頭へ⏏


4.2. スペクトル/ライトカーブの表示範囲の変更 - その1:スケール指定

スペクトル/ライトカーブを作成・表示した後、 グラフの目盛や表示範囲を指定して スペクトル/ライトカーブを再描画することができます。

この画面ではデータ抽出領域を再定義することはできません。 データ抽出領域を再定義したい場合には、再度 UDON2 QuickLook Image 画面で領域の定義を行い スペクトル/ライトカーブを作成・表示してください。

スペクトルのスケール指定フォーム
Rescale Parameters
Spectrum 
X :Energy Log
Lower Upper Unit      
keV
Y :Counts Log
Lower Upper Unit      
count

グラフの目盛や表示範囲を指定します。 指定した表示範囲にデータが存在しないとグラフが表示されない場合があります。 ご注意ください。



入力欄 説明
X :Energy Log
Lower Upper Unit      
keV

X軸の目盛、表示範囲を指定します。

Log   X軸を対数目盛で表示する場合にチェックします。
Lower   表示範囲の下限値を指定します。
Upper   表示範囲の上限値を指定します。

  0 <= Lower < Upper となるように値を指定してください。

Y :Counts Log
Lower Upper Unit      
count

Y軸の目盛、表示範囲を指定します。

Log   Y軸を対数目盛で表示する場合にチェックします。
Lower   表示範囲の下限値を指定します。
Upper   表示範囲の上限値を指定します。

  0 <= Lower < Upper となるように値を指定してください。

フォームのリセット、提出を行います。

Reset   入力値がリセットされます。
Rescale   フォームで指定された値でグラフを再描画します。


ライトカーブのスケール指定フォーム
Rescale Parameters
Light Curve 
X :Time Log
Lower Upper Unit      
sec.
Y :Rate Log
Lower Upper Unit      
count/s

ライトカーブの目盛や表示範囲を指定します。 指定した表示範囲にデータが存在しないとグラフが表示されない場合があります。 ご注意ください。



入力欄 説明
X :Time Log
Lower Upper Unit      
sec.

X軸の目盛、表示範囲を指定します。

Log   X軸を対数目盛で表示する場合にチェックします。
Lower   表示範囲の下限値を指定します。
Upper   表示範囲の上限値を指定します。

  0 <= Lower < Upper となるように値を指定してください。

Y :Rate Log
Lower Upper Unit      
count/s

Y軸の目盛、表示範囲を指定します。

Log   Y軸を対数目盛で表示する場合にチェックします。
Lower   表示範囲の下限値を指定します。
Upper   表示範囲の上限値を指定します。

  0 <= Lower < Upper となるように値を指定してください。

フォームのリセット、提出を行います。

Reset   入力値がリセットされます。
Rescale   フォームで指定された値でグラフを再描画します。


スケール指定フォームの入力値に誤りがあった場合

スケール指定フォームの入力値に誤りがあった場合は、エラーメッセージが表示されます。
以下の表を参考にして入力値を訂正し、再描画してください。

スペクトルのスケール指定に誤りがあった場合
エラーメッセージの例 説明
Energy: Upper: -1.0: Specify a non-negative value.
Counts: Lower: 1.o: Specify a non-negative value.
下限値 (Lower) や上限値 (Upper) には非負の数値を指定しなければなりません。
Energy: Upper: 0.200 is less than or equal to Lower: 1.000.
Counts: Upper: 100 is less than or equal to Lower: 100.
下限値 (Lower) に上限値 (Upper) と等しいか、あるいは大きな値 (Lower >= Upper) を指定しています。

上限値は下限値よりも大きな値 (Lower < Upper) を指定しなければなりません。

ライトカーブのスケール指定に誤りがあった場合
エラーメッセージの例 説明
Time: Lower: -9000: Specify a non-negative value.
Rate: Upper: 1,0000: Specify a non-negative value.
下限値 (Lower) や上限値 (Upper) には非負の数値を指定しなければなりません。
Time: Upper: 12000 is less than or equal to Lower: 70000.
Rate: Upper: 15 is less than or equal to Lower: 20.
下限値 (Lower) に上限値 (Upper) と等しいか、あるいは大きな値 (Lower >= Upper) を指定しています。

上限値は下限値よりも大きな値 (Lower < Upper) を指定しなければなりません。

「4. UDON2 Quick Plot でできること」の先頭へ⏶ | このページの先頭へ⏏


4.3. スペクトル/ライトカーブの表示範囲の変更 - その2:マウスで範囲指定

Spectrum Spectrum Spectrum
Spectrum Spectrum Spectrum

このグラフはマウスで領域をドラッグすることにより、スケール指定フォームで数値入力しなくても、ズーム操作が行えます。


「4. UDON2 Quick Plot でできること」の先頭へ⏶ | このページの先頭へ⏏


4.4. データのダウンロード

Spectrum
Light Curve

スペクトルやライトカーブのデータ( FITS ファイルと QDP ファイル)は グラフ上側のリンク "The original FITS and QDP files are here." からダウンロードすることができます。 (左図では、グラフ部分を縮小しています。) ファイルをダウンロードすれば FTOOLS の fplot コマンドや qdp コマンドで処理することができます。

ただしダウンロードできるのは、UDON2 Quick Plot を立ち上げた時点の、すなわち UDON2 QuickLook Image 画面で選択した領域からデータを抽出し作成したスペクトルやライトカーブであり、 UDON2 Quick Plot 画面で表示範囲を変更して再描画したものではありません。

これらのデータは tar.gz 形式のファイルに格納されています。 格納されたファイルにディレクトリ部はありませんので、 適宜、ディレクトリを作成するなどしてファイルを抽出してください。


スペクトルのFITSファイルとQDPファイルの表示例
$ tar -ztvf 100009010v2_0-xissp.tar.gz
-rw-r--r-- apache/apache 182421 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xissp.fits.gz  # FITS file 
-rw-r--r-- apache/apache    135 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xissp-pi.pco  # PI Channel
-rw-r--r-- apache/apache  27080 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xissp-pi.qdp  # PI Channel
-rw-r--r-- apache/apache    131 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xissp-ev.pco  # keV
-rw-r--r-- apache/apache  36225 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xissp-ev.qdp  # keV
$
$ mkdir PSR1509-58
$ tar -zxvf 100009010v2_0-xissp.tar.gz -C PSR1509-58
100009010v2_0-xissp.fits.gz
100009010v2_0-xissp-pi.pco
100009010v2_0-xissp-pi.qdp
100009010v2_0-xissp-ev.pco
100009010v2_0-xissp-ev.qdp
$ 
100009010v2_0-xissp.fits.gz   FITS ファイル
100009010v2_0-xissp-pi.pco QDP コマンドファイル  X軸の単位:PI Channel
100009010v2_0-xissp-pi.qdp QDP ファイル  X軸の単位:PI Channel
100009010v2_0-xissp-ev.pco QDP コマンドファイル  X軸の単位:keV
100009010v2_0-xissp-ev.qdp QDP ファイル  X軸の単位:keV

ライトカーブのFITSファイルとQDPファイルの表示例
$ tar -ztvf 100009010v2_0-xislc.tar.gz
-rw-r--r-- apache/apache 26919 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xislc.fits.gz  # FITS file
-rw-r--r-- apache/apache   163 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xislc.pco    # QDP Command
-rw-r--r-- apache/apache 91490 2008-07-28 15:26 100009010v2_0-xislc.qdp    # QDP File
$ 
$ mkdir PSR1509-58
$ tar -zxvf 100009010v2_0-xislc.tar.gz -C PSR1509-58
100009010v2_0-xislc.fits.gz
100009010v2_0-xislc.pco
100009010v2_0-xislc.qdp
$ 
100009010v2_0-xislc.fits.gz   FITS ファイル
100009010v2_0-xislc.pco QDP コマンドファイル
100009010v2_0-xislc.qdp QDP ファイル

「4. UDON2 Quick Plot でできること」の先頭へ⏶ | このページの先頭へ⏏

Last Modified: 02 December 2021