English

かぐや軌道データ公開

測地学手法を用いて人工衛星の正確な位置を決める事は、観測機器に関するあらゆる情報を抽出する上で非常に重要です。月周回衛星「かぐや」の延長ミッション期間中は平均高度50km未満の運用が行われ、空間分解能の高いデータが取得されました。しかしながら、地上局による追跡時間の減少と頻繁なスラスター噴射により、延長ミッション期間中は「かぐや」の位置の精度が通常期間と比べずっと劣っていました。そこで、GRAILミッションによる新しい重力場モデルと、LROミッションに搭載されたレーザー高度計(LOLA)による新しい地形モデルを利用して、延長ミッション期間中の「かぐや」の軌道を再決定しました。「かぐや」のレーザー高度計(LALT)で観測された地形とLOLAの地形モデルとを比較することにより、軌道精度が数キロメートルレベルから数十メートルレベルまで大幅に改善し、より高精度な位置情報が延長ミッション期間中のデータセットに付与されました。

今回更新された軌道データ(SPICE SPK形式)へのリンク

(2019年12月)

トピックス一覧

最終更新日: 2019年11月28日