アンテナ

antenna
カテゴリー: 観測・運用関連
アンテナ概略図

ふつう望遠鏡というと、細長い本体の先にレンズがはめ込んであって、反対側の穴からのぞくと、拡大された画像が見えます。しかし電波望遠鏡ではレンズを使わずに「アンテナ」を使います。このアンテナは、パラボラアンテナと呼ばれる、おわん状のものです。この形のアンテナは衛星放送用などにも使われているので、見たことがあるでしょう。

主な電波望遠鏡では、天体からの電波は、主反射鏡(主鏡:アンテナ面)で一度反射され、副鏡(焦点)でさらにもう一度反射されて、受信機へと導かれます。受信機室のあるアンテナの土台は、天体に合わせて、コンピュータ制御で精密に動くことができるようになっています。

下図に示す「はるか」のアンテナも、基本的には同じものです。「はるか」はロケットで宇宙に運ぶので、最初はアンテナを小さく畳んでおく必要がありました。そのため、アンテナ面はとても細い金属のメッシュ(ストッキングのようなもの)で出来ています。

折りたたんだアンテナは、宇宙に打ち上げてから広げられました。放射状に取り付けられた6本の支柱(伸展マスト)を伸ばしていくと、マストに組みつけられているアンテナが展開されていきます。そしてマストが完全に伸びきったとき、メッシュを支えるケーブルが相互に引っ張り合って強い張力がかかり、高精度に調整されたパラボラアンテナの形が出来上がります。

「はるか」概略図