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観測・成果編

GALAXYの観測成果

活動銀河中心核のブラックホール

 天体にはさまざまな特徴があります。観測する天体も、その特徴によって、それがどのような天体かを見分けることができます。しかし中には、一見似たように見えるために、見分けることが難しい天体もあります。

 「セイファート銀河」と「スターバースト銀河」と呼ばれる天体は、見分けにくい天体のひとつです。どちらの天体も「中心部が明るく、ガスが運動し、強い電波を放射する」という同じ特徴を持っているためです。
 「セイファート銀河」は中心部分に巨大ブラックホールが存在すると考えられています。しかし「スターバースト銀河」のほうは、中心部で活発に星が誕生していると見られていて、2つは違う種類の銀河なのです。


GALAXY観測の成果

 従来の観測では、2種類の銀河は同じように点状に見えていました。それがGALAXY観測網で見ると、「スターバースト銀河」のほうは、広がった天体として観測されるので、それぞれの銀河を見分けることができます。

 これらの銀河を観測した、典型的な二つの結果を紹介します。

MCG+8-11-11
This data is copyrighted by the Space Telescope Institute(STScI Digitized Sky Survey, (c)1993,1994,AURA,Inc.all rights reserved).
光学像 (提供 HST)
Condon,et al. 1998,AJ,115,1693;

従来の電波像(提供 VLA)

 銀河「MCG+8-11-11」(上の写真)では中心部分が従来の観測と同様に、ほとんど点のように観測されました。電波を出している領域の大きさは10光年以下で、スターバーストにしては小さすぎます。この天体は中心に 巨大ブラックホールが存在することがはっきりしたわけです。 従って、この銀河はセイファート銀河であることがわかりました。


銀河「NGC2992」
This data is copyrighted by the Space Telescope Institute(STScI Digitized Sky Survey, (c)1993,1994,AURA,Inc.all rights reserved).
光学像
Condon,et al. 1998,AJ,115,1693;

従来の電波像(提供 VLA)

 一方、銀河「NGC2992」(上の写真)では、普通の干渉計の観測では中心部分が点のように小さく見えていたのですが、GALAXY観測網にとってはボンヤリと広がっていることを発見しました。
中心部分の電波源サイズは100光年をこえています。 この大きさと電波の強度から、この銀河の中心部分はスターバースト領域であることが明らかにされました。

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