OLIVE/GALAXYトップページへ  
ここから本文

観測・成果編

GALAXYの観測成果

球状星団内のブラックホール探査

 球状星団とは、わずか10光年程度の大きさの中に、10万個もの恒星が密集している天体のことをいいます。 下に示す写真(光学像)はM3(NGC5272)と呼ばれる有名な球状星団です。

M3(NGC5272)
This data is copyrighted by the Space Telescope Institute(STScI Digitized Sky Survey, (c)1993,1994,AURA,Inc.all rights reserved).

 球状星団は、従来の電波観測では十分な観測ができませんでした。恒星の放射する電波は非常に弱いため、 たとえ10万個集まったとしても普通の観測では見ることができません。しかも球状星団は、とても年老いた恒星の集団です。
一般に年老いた星は、電波X線などを出さないものと考えられていました。

 しかし入念に観測を進めてみると、球状星団の中には電波を放射する天体も存在することがわかってきました。 ところが観測対象がとても小さい範囲に密集しているため、従来の電波観測ではひとつの点状にしか見えません。それらがどんな天体なのかは、まだわかっていないのです。


GALAXY観測の成果

 我々はGALAXY観測網によって球状星団中の電波天体の観測を行っています。GALAXY観測は、温度が低くてやや広がった天体の観測に適しているため、このような球状星団の観測に向いているのです。

 その結果、M3Aと名付けられたM3の方向にある電波天体をはじめ、いくつもの天体を検出しました。 これは電波天体の大きさが角度で10ミリ秒角(1度の36万分の1)以下であることを示しています。もしこれが恒星のような天体だとすると、温度は数十万度を超える、非常に高温な天体であることを示しています。

 このような、球状星団中の電波天体の正体はまだわかっていません。 もしかするとこれまで誰も知らなかったような、新種の天体という可能性もあります。
 未知の天体を発見するとき、それは宇宙の中にある新たな謎を発見する瞬間であり、人類の知的財産が増える瞬間でもあります。 GALAXY観測網は機動性を活かして、このような新天体発見も目指しています。

活動銀河核中心のブラックホール ->>


ここからフッター