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OLIVEの概要GALAXYの概要電波天文学とVLBI超高感度天体観測計画

プロジェクトの概要

超高感度天体観測計画

観測対象――1.恒星

夜空を見上げると星がたくさん見えます。星座を形作っているのが恒星で、銀河系内に約1千億も存在する太陽のような星です(恒星でない星は惑星で、これは太陽の周囲を回っているごく近傍の星です)。太陽は最も近くの恒星で、電波で観測すると太陽の大気である彩層やコロナを観測することができます。光の観測ではわからない、太陽の大気内部の激しいガスの運動や磁場の様子が詳しく研究されています。

さて、夜空の星々は肉眼でも見えますが、実はほとんど電波を出しません。
世界最高感度の電波望遠鏡でも感度不足のため、恒星の電波を観測した例はほとんど無いのです。ましてやこれまでのVLBI観測はさらに感度が悪いため、特殊な恒星をのぞいて観測に成功した例は全くありません。VLBIの高分解能を活かして恒星の外層大気は電波で詳しく観測できると期待されながら、詳しいことはほとんどわかっていないというのが現状です。

我々はGALAXYで世界最高の感度を達成して、恒星の大気を観測しようと考えています。最初の観測対象となりそうなのはベテルギウスやアンタレスなどの赤色超巨星です。オリオン座の赤い1等星、ベテルギウスは直径が太陽の500倍もあると考えられており、GALAXYの角度分解能で大きさを測定するのに適当です。ベテルギウスの放射する電波は既に観測されていますが、これまでの観測では分解能が足りず、点のように見えるだけでした。GALAXYなら超高感度でベテルギウスの電波を検出するだけでなく、それがどの程度の広がりを持っているのか、つまり大気の大きさまで調べることができると期待されています。

赤色超巨星は恒星が老齢になった姿と考えられています。そのような星は不規則に明るさを変化させるなど不安定な傾向を示します。このような星では恒星の周囲の希薄な大気がどのような広がりを持ってどのような運動をしているのか、恒星物理学にとって大変重要な意味を持っています。光の観測とともに、GALAXYによる電波観測で大きな発見をできるのではないかと期待されています。


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