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OLIVEの概要GALAXYの概要電波天文学とVLBI超高感度天体観測計画

プロジェクトの概要

GALAXYの概要

GALAXY観測網  OLIVE実験網は光結合網によるリアルタイムVLBIの成功、超高感度VLBI観測の可能性を実証しました。しかしOLIVEに参加している電波望遠鏡(臼田64mアンテナ野辺山45mアンテナ)は比較的近距離にあるために、天文観測を行うには基線長(アンテナ間距離)が十分ではありません。

そこで、通信総合研究所とNTTによる共同研究で開発されたKSPネットワークと、OLIVEネットワークを結合して、リアルタイムVLBI実験が開始されました(1998年12月)。これがGALAXY観測網です。

GALAXYによって基線長は200kmとなり、天文観測にも十分使えるリアルタイム(高感度)VLBI観測が行えるようになりました。


GALAXY実験はデータ量の少ない既存の装置を使って開始されましたが、観測データレート=伝送レートは256メガビット毎秒、観測周波数帯は2GHzと8GHz、観測感度は10ミリジャンスキーと、当時で世界トップクラスの観測感度を実現しました。


GALAXYによる天文学研究

GALAXYはVLBI観測ネットワークの中では基線長があまり長くないため、高分解能で天体を観測する目的には適していません。逆に、これまでのVLBIでは全く観測できなかった輝度温度の低い天体(やや広がっていて温度の低い天体)を観測するのに適しています。

普通のVLBIでは輝度温度が1000万度を超える天体しか観測できません。しかしGALAXYでは2桁低い10万度の天体まで観測可能になりました。光回線の全容量が使えるようになれば、さらに1桁低い、わずか1万度の温度の天体が観測できます。

では、1万度の温度の天体とは、どんな天体なのでしょう?
実は太陽のような恒星の温度が約1万度なのです(太陽は恒星としては小さめなので6千度程度ですが)。 恒星に照らされた周囲の電離ガス(HII領域)の温度も約1万度となります。
これまでのVLBIでは全く観測できなかった電離ガスなどの「熱的天体」には、恒星コンパクトHII領域惑星状星雲などがあります。

これらのVLBI観測が実現すると、様々な「世界初」の成果を生み出すことが期待されます。


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