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CALETによる宇宙線炭素・酸素のスペクトルデータを公開:テラ電子ボルト領域に至る直接観測でスペクトル硬化を高精度に検出

CALETによる観測結果と他の観測結果との比較。上から(a)炭素のエネルギースペクトル、(b)酸素のエネルギースペクトル、(c)炭素/酸素のスペクトルの比。エネルギーが大きくなるにつれ、急激に少なくなるスペクトル構造を調べるため、スペクトルの図の縦軸にはエネルギーの2.7乗が積算されている。

CALETは2015年8月に国際宇宙ステーションに設置され、5年以上の定常観測を継続しているカロリメータ型の宇宙線観測装置です。この検出器を使って、核子あたり10ギガ電子ボルトから2.2テラ電子ボルトの広いエネルギー領域で、宇宙線中の炭素・酸素成分のスペクトルの高精度直接観測を行い、そのデータを2021年3月2日にDARTSより公開しました。
今回得られた観測データからは、 テラ電子ボルト領域に至る漸次的なスペクトル硬化を高精度に検出することに成功しました。この結果は、今まさに活発に議論されている銀河宇宙線の加速・伝播機構のモデル検証のために重要な情報を提供するものです。このデータを用い、他の観測機による過去の測定結果との比較について議論した論文は、研究コミュニティへ速報する意義があると判断され、2020年12月18日に国際学術雑誌Physical Review Letter誌に掲載されました。

関連リンク:

(2021年3月)


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Last Modified: 29 March 2021