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宇宙線中のヘリウムのエネルギースペクトルデータを公開:国際宇宙ステーション搭載の高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET)による高精度観測

CALETによるヘリウムの観測結果と、他実験の観測との比較。エネルギーが大きくなるにつれ急激に少なくなるスペクトルの構造を調べるため、図の縦軸にはエネルギーの2.6乗が積算されている。

CALETは2015年8月に国際宇宙ステーションに設置され、7年以上の定常観測を継続しているカロリメータ型の宇宙線観測装置です。この検出器を使って、40ギガ電子ボルトから250テラ電子ボルトの宇宙線中のヘリウム成分のエネルギースペクトルを高精度に測定しました。これらのデータを2023年5月にDARTSより公開しました。
今回のヘリウムのエネルギースペクトルには、陽子、炭素、酸素といった軽い原子核で一般的にみられているスペクトルの硬化に加え、陽子で観測されていたスペクトルの軟化も30テラ電子ボルト付近で始まっていることを示唆しており、今まさに活発に議論されている銀河宇宙線の加速・伝播機構のモデル検証に重要な情報を提供するものです。このデータを用い、他の観測機による過去の測定結果との比較について議論した論文は、研究コミュニティへ速報する意義があると判断され、2023年4月27日に、国際学術雑誌Physical Review Letters誌に掲載されました。

関連リンク:

(2023年5月)


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Last Modified: 29 May 2023