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観測・成果編

OLIVEの実験成果

データ多重化装置

OLIVE実験の一つの目標である「スペースVLBIの実時間観測」を成功させるためには、一つの難関がありました。1つの回線を使って、2つの観測信号(衛星から送られてくる信号と、地上電波望遠鏡の観測信号)を相関局まで伝送しなければならないのです。
しかも衛星から送られてくる観測データは、衛星の軌道運動によりデータレートが大きく変動します。この問題を解決する装置が多重化装置です。

概要図

この装置は「多重化装置」と「分離装置」がセットになっています。通信・放送機構の受託研究の一環として国立天文台がこの装置を開発し、多重化装置は臼田宇宙空間観測所に、分離装置は相模原管制センターに設置されました。
多重化装置は衛星と地上望遠鏡の観測データを受け取って多重し、光端末へ渡します。光回線を通ってきた信号は管制 センターの光端末で電気信号に変換され、分離装置によって再び2系統の観測信号に分離されて相関器に送り込まれます。
1998年9月1日、多重化・分離装置を介した衛星・地上電波望遠鏡の観測データの伝送が行われ、それぞれのスペクトル・データが再現されることを確認しました。


<多重化装置>
多重化装置には2つの機能があります。1つはデータの多重化です。衛星と地上電波望遠鏡の観測信号はそれぞれ8並列16MHzクロック(=128Mbps)でそれぞれの機器から送り出されてきます。これを同時に受け取って、8並列32MHzクロックで時分割多重して送出する機能です。
もう1つの機能は遅延バッファです。衛星の軌道運動によって1回の観測中に変動するデータ量はおよそ2Mビットです。この変動を吸収して一定のクロックで読み出すバッファメモリを装備することで、衛星の観測データを一定のデータレートで伝送路へ送出できます。管制センターに伝送された2つのデータは、すでにデータレートが一定となっているため、そのまま相関器へ送り込むことが出来ます。

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